CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2012 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
綺麗だけれど
0
     先日親しい友人とその子供と一緒に水族園へ行ってきた。
    水族園は久しぶりだ。
    入ってすぐに水槽のドームがあり、迫力があった。
    イルカショーも集中してしまうくらいのものがあった。

    私は大学生の頃、ある水族園でアルバイトをしていた。
    水族園がとても好きでそこで働くことが憧れだったので、躊躇せずに面接に向かって4年間通ったものである。
    営業が終わった暗い館内の水槽を見て回るのはとても楽しかった。
    静かな館内。静かな水槽。水槽が暗い中で浮かび上がる。


    けれども、今、水族園を見て、少し感覚が違った。
    カニが歩きたい次の場所を探して端っこでもがいている。
    ペンギンは狭いところにたくさんいる。(群れで過ごすのでいいのだとは思うのだが)
    イルカも賢いそうなので色々な芸をしなやかにしているのだが狭いのではないか。

    そんなことを言っていては動物園だって同じことなのだが、少々胸が痛んだ。
    広々とした海という世界で過ごしていたらどうだったろうか。
    そんなことまで考えてしまった。
    純粋にきれいだな、と思える気持ちが少し薄らいでいたのだった。
    とはいうものの、子供の教育にもいいだろうし、生物たちの美しさは変わらない。
    一緒にいた子供も楽しそうにしていたし、もう一度行ってよく見てみたいとも思った。

    歳をとったものだなぁと感じた。
    とはいうものの、アジなどをみておいしそうだな、なんて感じてしまった自分にも矛盾を感じたのだが。

    皆、限られた自分の世界で精いっぱい生きている。


    入ってすぐの大きなドーム型水槽



    イルカショー(前から5列目位まで水がかかるので皆後ろから見ている)
    | ちょっと一息 | 11:07 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
    製鉄とジャパニーズアメリカン
    0
       11月11日、大学時代の友人と芸大の美術館へ行ってきた。
      門をくぐると何やら煙を焚いているのが目に入った。
      入ってすぐパンフレットを受け取った。
      どうやら昔の製鉄方法を紹介しているイベントらしかった。
      パンフレットを読んでみると『たたらシンポジウム』と書いてある。

      たたら製鉄とは、粘土で築いた箱型の低い炉で、原料に砂鉄、燃料に木炭を用いて送風装置(ふいご)を使用して行う日本古来の製鉄技術だそうだ。
      6世紀後半に朝鮮半島から伝えられたと考えられ江戸時代に技術的に完成したと言われている。
      (*特定非営利活動法人 ものづくり教育たたら 参照)

      そのイベントに偶然遭遇したのだった。
      その一部を載せてみる。


      イベント用に作られたミニサイズの炉


      炉の上から木炭を入れる。(かなり熱そう)


      ミニサイズのふいご。

      ふいごが一番わかりにくいと思うが、シーソーのようになっており、4人で交互に足踏みをしながら空気を炉に送るものだ。

      私たち(友達3人と私)は係りの人に「ふいご体験してみませんか?」と言われ、やってみることにした。
      そのふいごの重いことと言ったら、まるで通販で売っている足踏みマシンのもっと強力版のようだった。
      お蔭で筋肉痛になったがとても楽しかった。
      因みに鉄は3時間以上あとになって炉の下からどろっと出てくるそうで、時間がなく仕方なく見ることはできなかったがいい体験をしたと思う。

      ちなみに、このたたら操業体験は島根県の鉄の道文化圏推進協会が後世に伝えるために行っているらしい。


      **********

      その後、芸大の美術館へ行った。
      展覧会名は『尊厳の芸術』展。

      何が展示してあったのか、というと、かなり私には重かったのだが、第二次世界大戦の時にアメリカで暮らしていた日本人が収容所の何もないところで少しでも生活を楽しむために作り出した絵や芸術品が展示されていた。
      何もない生活の中においても人間は何らかの楽しみを見つけて没頭し、現実を受け入れつつも日々の生活を送っていることがうかがい知れるものだった。

      砂漠で何もない中、木を削って彫刻を作る、紙をこよって籠を作ったり、小鳥のブローチを作り、足の部分には窓についている金網の飛び出している部分を切って小鳥の足に見立てている。
      砂漠を深く掘ると貝殻が出てくる。その貝殻でハートのブローチを作る。
      サボテンの木を使って机に模様を施す。

      このようなものがあった。
      まさに人間としての誇りを持った中で作り出された芸術だった。

      実は私の親戚はアメリカにいる。一世から3世まで。
      収容所の話は少しだけ聞いたことがあるが、決して多くは語ってもらえなかった。
      それだけに辛い思いでだったのだろう。
      また、自分の子孫がアメリカでの生活をしにくくないように、偏見を持たないように子供にすら語られることはなかったという。
      カメラは基本的に持ち込みができない収容所に於いて、絵などでしか語り継がれない状態になっているのだが、なぜこのような展覧会が行われたのかというと、子孫たちが親が亡くなった後にガレージを整理してこれらの美しいものが出てきたからである。

      私は現代においてこの歴史的事実をどうこう言う立場にないが、繰り返しになるが、人として生きることの尊厳をこの展覧会で知ることができた。

      知らずに行った展覧会であったがとても貴重な体験をして帰ってきた。


      *******

      そのようなわけで、一日で色々な思いをした自分であった。
      | イベント | 13:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
      絵とともにある生活&齢を一つ重ねて
      0
         ここ1年くらい私はアトリエで寝起きをしている。
        起きるとイーゼルに大きな絵が(部屋の規模の割には絵が大きい)あって、起きても絵が目に入り、寝るまで見ることになる。
        強迫観念には駆られることはなく、ぼちぼちと進めている。
        なぜボチボチか、というと細かい絵を描いているから。
        後でざっと上から消してしまう予定なのだが、その下地を描いているのだ。
        消すといってもところどころ穴をあけたりこすったりして下地を見せる予定。
        ボチボチ、というよりチマチマかもしれない。

        だんだんとキャンバスが埋まるにつれて、次のステップが楽しみになってくる。
        そう思うとだるい身体も何とか起こして描くことができる。

        色々あっても描けるというのは幸せなんだな、と思う。

        +++++++++++++++++++++++++

        私は今月一つ歳をとった。
        でも不思議とがっかりした、とかそんな感情は全く生まれなかった。
        多分初めてかもしれない。
        女性なら誰でも「あー、おめでとうって言われても嬉しくないわ〜!」
        となるかもしれないけれど、
        私は今年は違った。

        年を取るとなんだか絵が充実してくるような錯覚も覚えたし、(あくまで錯覚だが)
        何よりいい体験をしているからだ。

        私は去年自治会の班長をやった。
        そして今年は絵を人にアドバイスしている。(一応教えているという形になっているが私としてはともに楽しんでいる)
        そこで感じるのだ。
        親以上、それよりもお年を召した方が集まってる中での会話がとても楽しそうなのだ。
        笑顔がとても魅力的だし、私も一緒に笑ってしまう。
        一人悩むことも色々とあるだろうと思う。
        でもここに来れば皆が好きなことを言って皆で笑う。

        教えるなんて多分とんでもないことで、私のほうが教わることのほうが多いし、色々と考えさせられたり楽しみもいただいている。

        そんなわけで、まとめにくい文章だが、歳をとっても楽しいことも多いしむしろ楽しみでもあると思った。
        だから私は歳が一つとれただけでもちょっとばかり嬉しかった。

        肌が衰える、体が不自由になる、そんなことは歳を重ねると出てくるけれど、いいこともたくさんあるんだと感じて、毎回の絵の教室を楽しみにしている。

        生きていて、しか親が自分を生んでくれて良かったんだろうな。
        そう感じられるのはやっぱり歳をとったからかもしれない。
        | | 16:49 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
        | 1/1PAGES |